Traffic aggregation

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鉄道発祥の地:イギリスで鉄道を満喫してきた話

今年のGWは令和最初の旅行として、BA6便に搭乗してロンドンに到着。翌日は鉄道発祥の地であるイギリスの鉄道関連を観光してきました。予定外の嬉しいサプライズも。

ケンジントンの宿を出発し、まずはキングス・クロス駅にほど近いPostal Museumへ向かいました。移動時間は、だいたい40分ほど。最寄りの地下鉄駅が、運行頻度の割に、ホームから改札階への移動をエレベーターだけで捌いていたので驚きました。
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イギリスにおける郵便の歴史を、展示物やインタラクティブなゲームで学び楽しむことができる施設です。馬車の時代には、郵便だけでなく旅客も運んでいたようで。時刻を守るためには、休憩中にトイレから戻ってこない客を待たずに出発する非情な選択も…
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一見すると、鉄道と全く関係無いように見えますが、鉄道観点での見所は本館から道を挟んだ別の棟にあります。その名もMail Rail。地上の交通渋滞を避けるために、ロンドンの地下に設けられたら郵便集配用の地下軌道です。廃止後に活用策が検討された結果、キノコ栽培トンネルや自転車専用道など他の案を抑えて、Postal Museumの一部として展示が始まりました。
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中に入って受付で事前に予約したチケットを確認してもらい、階段を下ると乗り場に到着です。1便前が出たばかりだったため、出発までしばらく待ちました。訪問時は赤い塗装の編成しか使用していませんでしたが、繁忙期用なのか検査時の代替用なのか、緑の塗装の編成も止まっていました。
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事前にWebサイトで確認していましたが、乗車して体感してみると、その小ささが際立ちます。太めの体系の私だと、1列に2人座るのは無理そうでした。
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出発すると、1周グルッと回るコースのためか、基本的にカーブが多いです。如何にも産業用な無骨なトンネルの中を進み、途中分岐も現れます。さらには立体交差も。
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2~3箇所ある現役時代の集配用ホームでは、壁面全体を使った映像展示による説明が流れていました。全体的にセンスがいい感じ。
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1周を終えて戻ってくると、今度は現役時代の車両などの展示を見学できます。現役時代の写真も展示されているのですが…この機関車、お目々ぱっちりに小ささも相まって絶対可愛いと思うのですが。実際には目ではなくて、数字の00が入っているだけのようですが。
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また、郵便車を模したチーム対抗戦ができるゲームもあり、実際に揺れる床の上で郵便物を棚に振り分けを体験できます。
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Mail Rail込みのトータルでも、1時間半ほどで十分楽しく見学できました。

 

さて、次の目的地に向かうため、まずはバスでキングス・クロス駅へ移動します。実際は徒歩でも行けなくはない距離のようです。歴史ある正面の外観と、入口・待合室となる現代が融合した空間の対比が印象的でした。
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LNERの列車でヨークまで。事前支払いの安い運賃で、食事込みの1等車を予約しておきました。切符の受取方法はいろいろ選べるようですが、アプリでQRコードを表示するモバイルチケットを選択。
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出発時刻1時間前に到着したのですが、LNERでは事前支払い運賃でもラウンジが利用可能なので、出発ホームの確定まで待つことにします。
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出発ホームも確定し、いよいよ乗車。改札の中に入ると…ディーゼル音がこだまする構内は、さながら札幌駅のような雰囲気でした。
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車内へ。Webからはシートマップによる座席指定もできたのですが、残念ながら進行方向向きの向かい合わせでない席には空きが無く、空席の多い車両の後ろ向きシートを指定しました。
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動力集中式の編成のため、発車しても室内はかなり静か。食事を選ぶ際に、サーモンの単語に気を取られた結果、量が若干少なめの昼食になりました。美味しかったけど。飲み物は頻繁にカートが通るため、何度かお代わりできました。
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時期によるのか分かりませんが、菜の花?らしき黄色い畑が沿線に目立っていました。
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2時間ほどの乗車時間で終点のヨーク駅に到着。到着ホームの隣には、5月中に運行開始する日立製の新型車両が止まっていました。こちらも乗って比較してみたい。
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駅構内で近い出口に迷いましたが、無事到着。目的地はイギリス国立鉄道博物館です。
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館内は数個のホールに分かれていて、まずはStation Hallに向かいました。ナトリウム灯?の柔らかいオレンジ色の照明に照らされて、頭端式ホームにSLや客車が並びます。
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イギリス王室の専用客車も展示されていますが、この付近には往時の客車の座席を再現した席を持つレストランがあります。頭上の荷物棚に荷物まである再現っぷり。
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展示車両の中には、Postal Museumで見かけた郵便車の実物もありました。実際はこうなっていたのか…と比較できます。
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別の展示棟に移動すると、高速鉄道車両がお出迎え。ユーロスターは、カットモデル側はドーバー海峡トンネルのカットモデルとセットというスケールの大きさ。そして日本の0系新幹線は日立製の高速鉄道車両とコンビで展示されています。日本国外にあるのはここだけだそうです…たぶんアイスもですかね。
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奥に進むと、バックヤードのような大量の資料が堆く積まれたスペースに出ます。この中には、今は無き東京と大阪の交通博物館との提携を記念した幟を見かけました。
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さらに階段を登って進むと、調整中でしたが、東海岸本線の在線状況を示すモニタとヨーク駅を臨むテラスがありました。この辺りの組み合わせは、京都鉄博っぽいです。
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さらにさらに奥には、上階から見渡す形で現役路線と接続された修繕・整備スペースがありました。ちょうど、ロケット号の複製品?の塗装作業が行われていたようです。見学通路は片側にしかありませんが、モニタを使って死角部分も見られるようでした。
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元のホールに戻ってきて、転車台の近くに車両の床下を見学できる線路を見かけました。有効長からすると、展示車両を入れ替えられる?のかも。京都鉄博では開業当初はビニール、現在では透明なボードを入れて、垂れてくるオイルの汚れを防いでいましたが、ここでは注意書きがあるだけで生で見られます。
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そんな感じで、ヨーク駅到着から閉館間際まで、展示を楽しんで見学できました。日本国内の博物館と類似しているところもあったので、もしかすると各館がこの博物館の展示を参考にしたのかもしれません。

 

トンボ返りするために再びヨーク駅へ。時差ボケによる眠気のピークが到来し、寝落ちしないようにとホームを歩き回りました…ふとロンドン方向を見ると煙が…全く予定になかったのですが、まさかの動態保存SLが入線してくるところに出くわしました。なんという偶然。停車時間は僅かでしたが、到着・出発の両方とも撮影出来たので大満足です。
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その後、再度LNER運行のロンドン行きに乗車。今度は、ロンドンまでの停車駅が2駅しかない速達列車でした。進行方向側の席が取れたものの、向かい合わせ席で足は伸ばせず。食事は往路の反省を基にして、別のメニューを注文しました。写真で思っていたより小振りでしたが、それなりの量があり美味しかったです。
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以上で、鉄道三昧となったイギリスでの観光が終わりました。SLに出会えたサプライズが嬉しかったです。そして、運行開始されたAZUMAや他の日立製車両、新型が導入されたばかりの寝台列車など、他にも乗りたい列車が残っているので、いずれ再訪したいと思っています。